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ホーム 物語編1 相手にはバックハンドのパッシングショットが無い?/物語1第11話

相手にはバックハンドのパッシングショットが無い?/物語1第11話

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「そうなんだ。それで最後の3つ目の戦術って、どんな戦術?」

「それはね、『強く打っちゃヤーよ』戦術!
 志村けんの『怒っちゃヤーよ』調でよろしく!」

「はいはい、わかったから、
 それより、それって、どんな戦術?
 強打禁止ってこと?」

「その通り!」

「そのまんまじゃん!」

「まあまあ、そう言わずに、
 ボクの言うことをゆっくり聞きなさい。
 アキラはチャンスボールがくるとね、
 フォアでバーンと強打するだろ。
 プロみたいに。」

「そうね。」

「でも、ミスが多い。
 プロと違って。」

「うん。」

「100%相手コートに入るんだったらいいけど、
 そうでないのなら、戦術変更!」

「100%じゃないとダメなの?
 80%位でもいいんじゃないの?」

「ダメ!100%じゃなければ、そんなのは自滅の元。
 もちろん相手に返されてしまうのは仕方ないんだけど、
 決めるチャンスで自分からミスするのは、
 1%でも許されないんだ。
 そんなんじゃ戦術として成り立たない。」

「へ〜そういうものなんだ。」

「それで、チャンスボールがきたら、
 強打するのではなくて、
 アプローチショットを相手のバックハンドに打って、
 前に出てネットにつく、
 という戦術を徹底するようにアキラに言い聞かせたんだ。
 もちろん、それで、15分間の戦術練習をやった。」

「またバックハンド?」

「今度もバックハンドだけど、意味が違う。」

「どう違うの?
 2番目の戦術では、バックハンドのサービスリターンは、
 強打できないし、ミスする確率も高いから、
 ということだったよね。」

「そう。その通り。
 今度のは、相手のタクヤはバックハンドのパスが無いから。」

「パスが無いって、どういう意味?」

「パッシングショットを持ってない、という意味。
 つまり、一発で抜くためのショットの技術が無いということ。
 ダウンザラインかクロスにノータッチでパスする技術。
 クロスへのパスは、
 スピードで抜く場合と、
 スピードは遅いけど、トップスピンを多めにかけて、
 ショートクロスに抜く場合があるけど、
 まあ、どちらにしても、その技術が無いんだよね。
 フォアはあるんだけどバックは無いんだ、残念ながら。」

「なるほどね。」

「バックハンドのスライスでパスするのは、かなりきついと思う。
 もしトッププロ相手にできるとしたら、
 全盛期のローズウォールだけかも。
 やっぱりトップスピンが打てないとね。
 しかも、走りながらのトップスピン。
 スライスだけでも、
 ネットに出てきた相手を翻弄する戦術はもちろんあるんだけど、
 タクヤにはできないしね。
 できたとしても、かなり苦しい。
 パスが無いと。」

「ふ〜ん。」

「それから、アプローチショットはね、・・・」


                              (つづく)

 
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