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ホーム 物語編1 ファーストサーブを相手のバックハンドに入れろ!/物語1第10話

ファーストサーブを相手のバックハンドに入れろ!/物語1第10話

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「そう、そして、ボクがアキラに授けた2番目の戦術、
 『バックオーライ』戦術なんだけど、これもサーブの戦術なんだ。」

「そうなんだ。それってどんな戦術?」

「それはね、ファーストサーブを相手のバックハンドに入れる戦術。」

「えっ!たったそれだけ?」

「そう、それだけの戦術。
 でも、最も基本的にして最も重要なサーブの戦術なんだ、これが。」

「でも、相手のバックハンドに入れることに、どんな意味があるの?
 タクヤの片手打ちのバックハンドのスライスは、
 フォアハンドみたいに強打できるってわけじゃないけど、
 でも、ミスは少ないし、
 どちらかというとフォアハンドより安定してるように見えるんだけど。
 だから、タクヤのバックハンドにサーブを入れておけば、
 ポイントが取れるってわけではないと思うんだけどなあ。」

「でもね、まず、
 とりあえず相手のバックハンドにサーブを入れておけば、
 いきなり強打されて攻撃されることが無いっていうのは、
 とても大事なことなんだ。」

「それはそうだけど。」

「強打されなければ、逆にこちらが先に攻めることができるんだ。
 先に攻めた方が絶対的に有利なんだよ。
 先手必勝なんだ。」

「ふ〜ん。」

「それに、タクヤの片手打ちのバックハンドが、
 安定しているように見えるのは、
 タクヤに限らず誰でもなんだけど、
 それは、片手打ちのバックハンドというのが、
 構造的に安定しているからなんだ。
 それがなぜだかわかるかい?」

「わかんない。」

「それはね、片手打ちのバックハンドというのは、
 打つ時に利き腕の方の肩が前にあるだろ。
 だから、片手打ちのバックハンドは、
 振り遅れたら、もう返せないんだ。
 融通が利かないんだ、片手打ちのバックハンドは。
 それに比べて、フォアハンドというのは、
 打つ時に利き腕の方の肩が後ろにあるだろ。
 だから、フォアハンドはいくら振り遅れても、
 肩が後ろだから、当てるだけでも返すことができる。 
 つまり、融通が利くんだ、フォアハンドは。」

「それで。」

「片手打ちのバックハンドのスライスは、
 融通が利かない分、逆に、型にはまるから、安定するんだ。
 それに対してフォアハンドは、
 融通が利く分、逆に、型にはまらないから、不安定になる。
 でも、それは、グラウンドストロークの時に限った話。」

「あ〜そう。」

「うん。ところが、サービスリターンの時は、
 グラウンドストロークと違って、
 高い所から打ち込まれるし、スピードもあるから、
 とにかく当てて返すだけってことが多い。
 でも、バックハンドは、融通が利かないから、
 振り遅れたりして、実は不安定になることが多い。
 つまり、バックハンドの方がミスが多いということ。」

「話がややこしくて、わかんなくなってきちゃった。」

「じゃあ結論だけ理解してよ。
 片手打ちのバックハンドは、
 グラウンドストロークでは安定していても、
 サービスリターンでは、フォアハンドに比べると、
 強打するのも難しいし、ミスも多いということなんだ。」

「なるほどね。
 だから、ファーストサーブを、
 相手のバックハンドに入れることは有効ということなのね。」

「そう、その通り。
 そして、こちらのファーストサーブを、
 相手のバックハンドにきっちり狙って入れることができるようになると、
 そこからサーブの戦略にもいろいろと広がりが出てくるんだ。
 つまり、この戦術は、重要にして基本的なサーブの戦術ということ。」

「そして、その練習をしたのね。」

「そう。それで、アキラのファーストサーブが、
 ちゃんと相手のバックハンドに入るように、
 15分間戦術練習を繰り返したというわけ。
 それでなんとか、バックハンドに入るようになった。
 15分しか無かったんだけどね。」

「そうなんだ。・・・
 それで最後の3つ目の戦術って、どんな戦術?」

「それはね、・・・」


                              (つづく)

 
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