「ねえねえ、どうしたのアキラ!
すごいじゃない! タクヤに勝つなんて!」
アキラは照れくさそうに笑いながら、
何も言わずにボクの方を見た。
ボクはユミに聞いてみた。
「今日のアキラ、どうだった?」
ユミは小首をかしげながら、
「う〜ん、そうねえ。
アキラは、いつもよりはヘタに見えたなあ。
それに、いつもよりもカッコ悪かったような気もするし。
なのに勝っちゃったってのがよくわかんないのよね。」
ボクはうなずきながら答えた。
「なるほどね。
確かにそう見えたかもしれないけど、
そこには勝因が隠されてるんだよ。
まあ、勝ったのは、
アキラが、素晴らしくよく集中してたから、なんだけどね。」
アキラが、それに対して鼻を天狗にして吠える。
「そうそう、オレがすごいからに決まってんだろ!・・・
・・・ってのは冗談だけど・・・
レイジに教えてもらったんだよ、タクヤに勝つ方法ってのをさ。
タクヤには内緒だぞ!」
ユミは興味津々といった顔だ。
「なになに? そのタクヤに勝つ方法って?」
アキラが小さな声で答える。
「3つの戦術さ。」
ユミは不思議そうな顔でさらに聞く。
「せんじゅつ? なになに? 気になるからちゃんと教えてよ!」
アキラはさらに小さい声で、
「わかった、わかった。
練習が終わったら、ちゃんと教えてやるから、あとで・・・。」
同好会の練習が終わった後、
タクヤとリョウは用事があるということで、
先に帰ることになった。
タクヤはもう立ち直っていた。
「アキラ!今日の借りは次返すぞ!
血祭りに上げてやるからな!覚悟しとけよ!」
アキラも負けじと言い返す。
「うるせえ!ばかやろう!返り討ちにしてやる!」
タクヤは初めてアキラを対等に扱ったのだ。
アキラも初めてタクヤに堂々と言い返すことが出来た。
バカにされてもへらへら笑ってごまかしていたアキラは、
もうそこにはいなかった。
アキラは自分自身の誇りを取り戻したのだ。
(つづく)
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