なお、悩みの部分だけを抜粋させていただきました。
ご了承ください。
<質問>
こんばんわ。
はじめてメールを出させていただきます。
貴殿のメールマガジンいつも楽しみにしています。
私は30代(男性)の週末テニスプレーヤーです。
数年前からテニスを始めたのですが、悩みがあります。
筋力の割りにストローク(特にフォア)の威力・スピードが劣ることです。
一緒に練習している同世代の友人達と比較して、
筋力(腹筋および背筋)等は私が強く、
実際私の方が速いサーブを打てるのですが、
ストロークの威力(スピード)がかなり劣っていると感じています。
これを解消するにはどうすればいいのでしょうか?
<回答>
筋力があって、速いサーブが打てるということは、
ラケットを強く振ることはできるわけです。
スイングスピードが速いからこそ、
サーブのスピードも速いわけですからね。
ですから、スイング自体に問題は無いと仮定すると、
他に原因として考えられるのは、
下半身の方でしょう。
強いストロークを打つ場合、主に大事なのは、
上半身によるスイングスピードと、
下半身による安定と体重移動です。
ここで言う『体重移動』というのは、
誤解している方もいるので、ここではっきりしておきますが、
右足から左足へ、とか、軸足から踏み込み足へ、
といった体重の移動ではありません。
自分の体の中で体重を移動させるのではなく、
自分の体重を、いかにボールに乗せるか、というのが、
強いストロークを打つための体重移動です。
つまり、体重移動とは、
『自分の体重をボールに移す動き』というわけです。
そして、体重移動をするためにも、
基本となるのが、下半身をいかに安定させるか、です。
下半身をどっしり安定させることで、
強い球を、しかもコントロールよく打つことができます。
考えてみてください。
バズーカ砲を肩にかついで、
標的に正確に命中させようと思ったら、
下半身はどうしたらいいでしょうか?
もし、直立の姿勢だったら、
打つ前に、右に左にフラフラしてしまったり、
打ったあとも、砲撃の反動で後ろによろめいたりして、
狙った所に打つのは少し難しくなるはずです。
ですから、直立ではなく、
腰を落として、片ひざをついて、
体が動かないようにガッチリと地面に固定させて、
安定させてから撃つことになると思います。
このように、あなたがもし、
大砲のようなストロークをドカ〜ンと打ちたいのならば、
台座となる下半身は、どっしりとしていなければならないわけです。
つまり、テニスにおいても、
腰をやや落として、ひざもやや曲げて、
体全体の重心を低く保つようにして、
下半身が前後左右にぶれないように、どっしりと安定させます。
打つ時の両足の開き具合をスタンスと言いますが、
このスタンスをやや広げれば、
自然とひざがやや曲がって、自然と腰がやや落ちるようになります。
トッププロなら当然誰でも下半身は安定していますが、
特にお手本になるのが、
レイトン・ヒューイットでしょう。
彼がいつもガニ股で動き回っているように見えるのは、
常に腰を落として重心を低く保っているからです。
下半身がどっしりと安定していれば、
上半身のラケットスイングはややゆっくりだとしても、
結構しっかりした球を打つことができます。
特に、足の裏がピタッと固定するハードコートの場合、
ずるずる滑るクレーコートの場合よりも、
しっかりしたストロークが打てると感じるのは、
そのせいです。
なので逆に、足元が不安定なクレーコートの場合は、
下半身を安定させにくいので、
強いストロークを打とうと思ったら、
より速くより強いスイングをすることが必要で、
上半身の力がより重要になります。
クレーコートスペシャリストと言われる選手たちが、
皆揃いも揃ってぶんぶん振り回すハードヒッターなのは、
そういった理由からです。
さて、このように、下半身を安定させることが、
強いストロークを打つための基本であることは、
おわかりになったことと思います。
そしてさらに、より強い球を打つためには、
先程お話しした、体重移動が必要になります。
トップスピンの場合は、
下から上に持ち上げるようにして打つので、
低く落とした重心も、
ボールに向かって下から上にやや持ち上げて、
ボールにぶつけるように持っていって、
ボールに自分の体重を乗せるようにします。
やや曲げたひざを少し伸ばすようにしながら、
やや落とした腰を回転させながら上げていって、
下半身に溜め込んだ体重をボールにぶつけるようにして乗せるのです。
このような動きによって、
特に、やや高めにバウンドしたボールを打つ場合は、
結果的に、打つ時に体が跳び上がってしまうことがあります。
これがまさしく、ジャンピングショットです。
体重を思いっきりボールに乗せようとした結果、
勢い余って跳び上がってしまうわけですが、
空中で打つことによって、
全体重をすべてボールに乗せることができたりするので、
かなり強い球を打つことができます。
しかも、強いだけでなくて、
より正確に打つことができます。
なぜなら、全体重が打球方向に向かっているので、
狙った方向がぶれにくいからです。
それに、より高く、より前に、ジャンプして打つわけですから、
当然、打点はより高く、より前になります。
それで、
こちらが打つことができる相手コートの範囲が、より広がるので、
入る確率が上がるし、より攻撃的なショットになるというわけです。
逆に小手先だけで打つと、
手打ちになってしまって、
狙った方向に正確に打つのが難しくなります。
ですから、強い球を打つためだけではなく、
正確に打つためにも、
体ごとボールにぶつかっていって、
全体重を乗せるような打ち方が有効です。
逆に、アンダースピンをかけるためにスライスで打つ場合は、
上から下に切り下ろすようにして打つので、
低く落とした重心を、
さらに沈めるように落とすことで、
ボールに自分の体重を乗せるようにします。
ですから、スライスの場合は、
ジャンピングショットになることは、ほとんどありません。
このように、ジャンピングショットは、
結果的に跳び上がって打つ、ことになるわけですが、
先に跳び上がってから打つ、という打ち方もあります。
これがまさしく、ジャックナイフです。
トッププロでは、例えば、
セバスチャン・グロジャンやギレルモ・コリアがよく使いますよね。
ではちょっと長くなったので、ここまででまとめます。
続きは次回に。
『 強いストロークを打つために大事なのは
上半身によるスイングスピードと
下半身による安定と体重移動 』
『 体重移動とは
右足から左足とか軸足から踏み込み足とか
体の中で体重を移動させるのではなくて
自分の体重をいかに溜めてからボールに乗せるかである 』
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