今日は、重い球について考えてみました。
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<質問>
もう1つ、重い球とは何か?
速い、遅いではないですよね。
スピンによって地面に落下する速度が、
回転のかかっていない(またはスライス回転の)ボールよりも
速いということなのか?
そうするとバウンドした後はスピンボールの方が高く弾むので
ライジングで捕らえれば軽く感じるの?
いやー、違うなー。いまいちわかりません。
ある人(○○大学体育会No1だった、現在44歳)の打つ球は
重いと言われていましたが、
完全なフラットボールでした。
縫い目が見えるほどのw
スピードは無いけどなぜかこちらがミスばかりしてしまう、
不思議な体験でした。
その人はとても重いラケットを使っていました。
それは関係ないかw
ボールはボールですもんね。
その辺の話にいつか触れていただけるとうれしいです。
もっともっと考えてテニスしなきゃと思わせていただいて
ありがとうございます。
これからも楽しみにしています。頑張ってください。
<回答>
『33歳♂ かみさんがうるさくて
なかなかテニスに行かせてもらえませんTT』
さんからのメールです。
そうですよね。
結婚するとなかなか自分の自由にはできなくなっちゃいますよね。
お察し致します。
さて、重い球とは何か?
ちょっと考えてみました。
まず、ボールの回転によって、
重く感じたり、軽く感じたりします。
相手の球がトップスピンの場合、
その球を、トップスピンで打ち返す時は、重く感じます。
なぜなら、
飛んで来た球の回転を一旦止めて、
逆の方向に回転させなくてはならないので、
その分運動エネルギーが必要だからです。
逆に、スライスで打ち返すときは、軽く感じます。
なぜなら、
飛んで来た球の回転はそのままに、
同じ方向にさらに回転させることになるので、
その分運動エネルギーが不要だからです。
経験的にもおわかりだと思います。
トップスピンボールをスライスで打ち返すと、
スカッて感じで、ピンポン球のように軽々と飛んでいきます。
特にライジングだと、より軽く飛びます。
ライジングの時点では、
1回頂点を越えてボールが落ちてくるフォーリングの時点と比べて、
回転がまだ、より多くかかっているからだと思われます。
相手のトップスピンの回転が強ければ強いほど、
楽にこちらはスライスで回転をより強くかけられるというわけです。
逆に、トップスピンボールを、トップスピンで打ち返す場合、
ガツッて感じで、
すっぽ抜けるように無回転で高く飛んでしまうことがあります。
これは、来た球の回転を一旦止めることはできたものの、
更なる順回転をうまくかけることができなかったからでしょう。
相手の球がスライスの場合、
その球を、スライスで打ち返す場合は、少し重く感じます。
なぜなら、これも同じように、
飛んで来た球の回転を一旦止めて、
逆の方向に回転させなくてはならないので、
その分運動エネルギーが必要だからです。
トップスピンの時に比べて、それほど重く感じないのは、
スライス回転の場合は、その逆回転の力が、
重力に打ち消されている分があるからだと思います。
逆に、スライスの球を、トップスピンで打ち返す時は、
軽く感じます。
なぜなら、これも同じように、
飛んで来た球の回転はそのままに、
同じ方向にさらに回転させることになるので、
その分運動エネルギーが不要だからです。
これも、経験的に、
スライスボールをトップスピンで打ち返すと、
スカッて感じで、ピンポン球のように軽々と飛んでいきます。
これも、特にライジングだと、より軽く飛びます。
理由も全く同じ原理からです。
逆に、スライスボールを、スライスで打ち返す場合、
これも同じように、ガツッて感じで、当たり損ないのようになって、
低く飛んでゴロになってしまうことがあります。
これは、来た球の回転を一旦止めることはできたものの、
更なる逆回転をうまくかけることができず、
きちんと飛ばすことができなかったからでしょう。
結論としては、
同じ回転で返す時は、重く感じ、
逆の回転で返す時は、軽く感じる。
そして、トップスピンをトップスピンで返す時の方が、
重力が加重される分、より重く感じられるというわけです。
他にも、球が重く感じる時があります。
ラケットをフライパンのように持って、
その上でボールをバウンドさせてみてください。
軽く感じる時と、重く感じる時がありますよね。
そうです。
スイートスポットにうまく当たった時は、軽く感じ、
スイートスポットからはずれた時は、重く感じます。
特に、ラケットの先の方にはずれると、
『てこの原理』で、より重く感じます。
ということは、何らかの原因で、
スイートスポットにうまく当たらない時に、
ボールを重く感じることがあるということです。
原因としては、ボクには2つ心当たりがあります。
1つは、どフラットの速い球。
どフラットの速いボール、特に速いフラットサーブに対して、
タイミングを合わせるのは非常に難しくて、
リターンする際にラケットにきちんと当たらない場合もあります。
また、サーブでなくても、フラットの速い球は、
そのバウンド後の軌道に、
こちらのラケットをうまく合わせるのが難しいことがあります。
このような状況で、
スイートスポットにうまく当たらないと、
当然すごくボールが重く感じられます。
もう1つは、バウンド後に体の外に逃げるように変化する球。
スピンサーブがバックハンド側に入って『逆跳ね』して、
予測したよりも、より外側に跳ねた場合、
スイートスポットをはずれてラケットの先の方に当たることがあります。
この場合、スイートスポットをはずれて、
しかもラケットの先の方にはずれたことで、
かなり重く感じます。
このような『逆跳ね』は、スピンサーブだけでなく、
トップスピンストロークの逆クロスでも起こることがあります。
縦回転だけでなく横回転がかかっているからですが、
これもうまくスイートスポットに当てて返すのが難しい球です。
結論としては、
どフラットの速い球と、逆跳ねするトップスピンの球は、
スイートスポットをはずしやすく、
ボールを重く感じることが多いということです。
次に、どうすれば重い球を打てるかです。
『重い球=大きな運動量を与えられた球』と仮定しましょう。
『運動量=質量×速度』ですから、
ラケットの重量にラケットの速度をかけたものが運動量ですね。
ということは、単純に考えると、
より重いラケットで、より速くスイングすれば、
より大きな運動量をボールに与えられる、ということになります。
今度は、同じ運動量で、
トップスピンとスライスとフラットで打った場合、
どの球種がより重い球を生み出すか、を考えます。
同じ運動量で打っても、
トップスピンとスライスは回転をかける分、
フラットと比べて、
進行方向へのボールのエネルギーが小さくなります。
スピンをかけると、スピードが遅くなるのはこのためです。
つまり、この3種類のボールが、
相手のラケットのガットに接触した時に、
進行方向に押す力は、
フラットの球が一番強いということです。
結論としては、
より重いラケットで、より速くスイングして、
フラットで無回転に近い球を打てば、
一般的に、相手にとっては、重い球だと感じる、ということです。
ですから、
「重いラケットで完全なフラットボールを打っていた人の球は重かった」
という、あなたの感覚は正しかった、と言えると思います。
ボクは物理学は得意な方でしたが、
長年やっていないので、もうほとんど忘れちゃいました。
なので、この3つの結論に関しては、
力学などの解析的な裏付けや、
実験による検証なども全くしていませんので、
その点はご了承ください。
まあ、単純に、スピードのある球は重い、
同じスピードなら、同じ回転で返す時は重い、
そして、バウンド後に不規則に変化する球も重い、
と考えたらいいと思います。
そう考えると、
意図的に相手に重いと感じさせる球を打つには、
スピードのあるフラットか、
逆跳ねするトップスピンということになります。
でもこれでは、戦略の1つとして、
あるいは、戦術の1つとして、
意図的に重い球を打つことで、相手を困らせる球にして、
試合を有利に運ぼうと考えても、
あまり意味がないでしょう。
なぜなら、重くてもきちんと返されたら、
試合に関しては何事も起こせないからです。
重い球を打ち続け、相手の腕をしびれさせて、
徐々に相手の腕の筋肉の持久力を奪っていき、
最後にはラケットさえも持てなくしてしまう・・・。
そして、相手は途中棄権!こちらのTKO勝ち!
名付けて『ヘビーボールTKO戦略』!(そのまんま)
『テニスの王子様』に出て来る新しい必殺技としては、
面白いかもしれませんが、
実際のテニスの戦略としては現実的ではないでしょう。
それから、技術的にも、
どうせなら、軽い球より重い球を打てた方が、
いいに越したことは無いのですが、
これもあまり意識しなくてもいいと思います。
重い球よりも、大事なことは、
1にプレイスメント、2にスピン、3にスピードです。
ポイントをとるためのショットであり、
テニスで勝つためのショットである、
ウイニングショットを打つために大事なことは、
この3要素をいかに操るか、にかかっています。
ボクはこれを『ウイニングショット3要素』と呼んでいます。
それでは、まとめます。
『 相手のボールは
スピードがあればあるほど重く感じ
同じスピードであれば
同じ回転で返す時は重く感じ
逆の回転で返す時は軽く感じる 』
『 バウンド後に不規則な軌道を描くボールは
スイートスポットをはずれることが多く
重く感じる球となる
特に逆跳ねの場合は
よりラケットの先の方にはずれることが多いため
さらに重く感じる球となることが多い 』
『 重い球で勝つという戦略は
あまり現実的ではないし
重い球を打つための技術も
あまり意識しなくてもよい 』
『 勝つための球は重さではなく
1にプレイスメント
2にスピン
3にスピードである 』
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