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第30号

テニスは最高!テニス部の指導はコーチに!
スポーツを原点に戻せ!

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                第30号
               2005.04.09
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おはようございます! カムイ・レイジです。

今日は連続ドラマ『トップ1%プレイヤーへの道!』の第7話、
テニス環境は最悪だけど、でもテニスは最高!
をお送りします。


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『トップ1%プレイヤーへの道!』とは?


中学高校では最悪のテニス環境という逆境もあり、
テニスプレイヤーとしては弱々の鳴かず飛ばず。

このままでは終われない!
こんな実力では納得できない!

悲壮な決意を胸に秘めて大学の体育会テニス部の門を叩く。
ところが、そこには、想像を絶するような試練が待っていた!

地獄のどん底で辛酸をなめ続けた男は、
いつしかそこから少しずつ這い上がっていくのだった。

そして、ついには、周りの誰もが認める、
上手くて強いテニスプレイヤーへと進化を遂げる!

リアルプリンス=現実のテニスの王子様たちも多数登場!
テニスの王女様・お姫様、そして、リアルお蝶夫人も!

テニスで上手くなるには? 強くなるには? 勝てるようになるには?
その答がここに!


ちょっと大げさ!と思われたかもしれませんが、
とにもかくにも、ボクが身につけていった『テニスで勝つ方法』を、
時系列でお話ししていく物語です。


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それでは、今日は第7話、
『テニス環境は最悪だけど、でもテニスは最高!』
をどうぞ。


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中学の軟式テニス部に入ったボクは、
その練習環境の悪さを改めて実感することになった。

やはり、テニスコートが無いというのは最悪だ。

入る前からある程度は覚悟していたけど、
入ってみると、そのひどさは想像以上だった。


男女バスケ部が体育館で練習する日は、
外のバスケットコート2面が空いているので、
そこにテニスコート1面を作って練習する。

移動用ネットポストを固定して、ネットを張って、
ラインは、石灰を入れた二輪車で引く。


そうやって、30分ぐらいかけて、
やっとテニスコート1面ができる。

そのたった1面で、男女一緒に練習するのだ。


ところが、こんな環境の悪さでも部員は意外に多くて、
特に女子は1学年あたり20人ぐらいはいる。

男女の3年生だけでボールを打って練習するんだけど、
それでも、1人あたりの打てる時間はわずかでしかない。


女子が多いのは、女子にとってテニスが、
メジャーで人気のあるスポーツだからだと思う。

そして、女子にテニスが人気なのは、
『エースをねらえ』の影響だけじゃなくて、
女の子らしさも表現できるスポーツだからかもしれない。

一方、男子にとっては、テニスは、人気ということでは、
野球やサッカーに比べると、どうしても落ちるし、
そういう意味では、マイナーなスポーツなのかもしれない。


そして、1・2年生は、
球拾いをするか、素振りとランニングと筋トレだ。


球拾いでは、1コートをぐるりと壁のように取り囲むので、
ほとんど動かなくていいけど、
何しろ暇で退屈で、しかも体がなまってしまう。

素振りは文字通り空気を打つようなもので、
何千回とぶんぶんぶんぶん振り回すけど、
もちろんそんなのではちっとも上手くなりはしない。

ランニングは体を動かせるので気分はいいけど、
でもひたすら校庭の周りをぐるぐるぐるぐる走ってばっかりなので、
テニス部ではなく駅伝部にでも入ったのかと錯覚してしまうほどだ。


筋トレは大抵、腕立て・腹筋・背筋を1日100回ずつで、
これができなくて嫌になって辞めていく奴もいる。

というか、ボールをほとんど打たせてもらえなくて、
球拾いと素振りとランニングと筋トレばっかりだから、
バカバカしくなって辞めていくのがほとんどだ。

テニスが男子にとってマイナースポーツだといっても、
結構たくさんの男子が入ってきては辞めていった。

退部率では断トツでナンバー1の部だ。


ただ、ちょっと心配していた悪名高い『ブカツ』特有の、
イジメやシゴキや体罰などといったものは一切無かった。

ただテニスが好きといった感じの先輩達と、
テニスそのものを楽しもうとする部の雰囲気は、
サッカーだけどクラブ育ちのボクにとっては当然に心地よい。


それから、このテニス部には、
コーチもいないし、監督もいないし、
いるのは嫌々割り当てられた顧問の先生だけ。

もちろん、テニスをやったことも無ければ、好きなわけでもないし、
全く興味がないので、練習にも全く来ない。


まあ、テニスを全く知らない人に、義務感だけで来られて、
ああしろこうしろと上から命令ばかりされるのもいい迷惑だから、
まだましな方。

ただ、さすがに公式戦では引率しなくちゃならないみたいで、
年に2回は勝手について来るが、借りてきた猫のようにおとなしい。


それにしても、先生もかわいそうだ。

強豪校なんかでは、先生が、
平日の夜遅くまで指導していたりするけど、
それはまさにサービス残業だし、
土日祝日も返上で対抗戦に繰り出してばかりだと、
家庭崩壊もあったりするだろう。

本人が元から好きで、しかも、
使命感に燃えてやっているんならいいんだけど、
好きでもないし、やる気も無くて、熱血指導しない、という先生は、
ダメ教師の烙印を押されることもあるらしい。


学校の先生が部活動も指導すべき、という考え方は、
そろそろ変えていく必要があるんじゃないだろうか?

やはり、私立だけでなく公立でも、テニスで、
専門のコーチを学校や父兄がちゃんとお金を払って雇う
という時代にするべきだとボクは思う。


ということで、
1年生のボクに教えてくれるのは、2年生の先輩なんだけど、
その時点でも、
ほとんどボールを打たせてもらえていない人に教えてもらっても、
あんまり上手くなれそうも無い。

それどころか、間違ったとんでもない技術理論を、
あたかも正しいものとして教えられていたことにあとで気づいて、
ゾッとしたこともある。

それに、全国大会どころか、県大会にも行けず、市大会も無理で、
区大会でいつも負けているような弱小校では、
テニスで勝つ方法などの知恵の蓄積なんかも皆無だ。


話を元に戻そう。

男女バスケ部が外で練習して、
その代わりに男女バレー部が体育館で練習する日は、
外のバレーコート2面を、
テニス部の男子と女子とで、それぞれ1面ずつ使うことになる。

1面しかネットを張れないバスケコートに比べると、
バレーコートでは2面張れるので、
1人あたりの打てる時間が増えるのがいい点だ。


ところが、バレーコートにそのままテニスのネットを張るのは、
もちろん上に高く張るわけじゃなくて、低く張るんだけど、
実はどうしてもちょっとだけ規定よりも高くなってしまう。

それに、ここのバレーコートは、
固くて平らなバスケットコートとは違って、
軟らかくてデコボコの砂場のようになっている。

つまり、ほとんど跳ねない上に、滅多に真っすぐは跳ねないから、
とても普通にテニスができるような状態ではない。


たまに雨が降ったあとで、地面が固まって、いい感じになってくると、
バレー部の奴らが総出でザクザク耕して、砂場から砂を運んで、
立派なビーチバレーコートのように仕立て上げてしまう。

文句が言いたくても、そこは元々バレーコートなんだし、
テニス部としては借りているだけだから、何も言えない。


バスケ部もバレー部も同時に外で練習する時が当然あるが、
そうなってしまうと、
学校の敷地内でテニスコートを作れるような場所は他にはもう無いので、
下級生は、学校の外へと向かって、各自、
マラソンと称してランニングすることになってしまう。

かなりの距離を走って、ちょっとした山を登って頂上まで着くと、
休まずUターンして下まで降りてきて、
またかなりの距離を走って学校まで戻ってくる。

下級生全員が戻ったのを確認してから、
全員で筋トレをして、全員でぶんぶんぶんぶん素振りをして、
その日の練習は終わり。


で、上級生は何をしているのかと言うと、
学校内で唯一壁打ちができる場所で、
スカッシュのようなことをして楽しく練習する。

実に楽しそうで、うらやましい限りだ。


楽しく練習するのは大事なことだし、
壁打ちは、テニスにとっては、
非常に大事な練習方法の1つであることに間違いはない。

でも、こんな地味な練習方法の壁打ちが、
うちの部では、上級生の数少ない特権の1つで、
下級生に「いつかは壁打ちができるんだ!」って感じで、
憧れの対象になるだなんて、
なんてテニス環境の劣悪な学校なんだろうか。


入部してちょっと経った頃、
3年生にとっての最後の大会の区大会が始まって、
あんなに上手くて強そうに見えた3年生が惨敗して引退するのを見て、
自分の学校がどれだけ弱いかを痛感してしまった。

そりゃあ無理も無いよね。
テニスコートも無いし、コーチもいないような学校なんだから。


3年生がいなくなると、当然のように2年生が実権を握り、
そして、2年生の練習が休憩時間になる時に限って、
1年生はやっとボールを打たせてもらえるようになった。

1年生は1人1日5分も打てたらいい方だけど、
でもこの5分間だけは、幸せの絶頂といった感じだった。


最初はラケットの真ん中に当たるだけでも嬉しくて、
それから、今度は、
イメージ通りに打てるようになるとさらに嬉しくなってしまう。

そしてさらに、
自分の動きとボールの動きが完全にシンクロするようになってきたら、
もうテニスをすることが快感でたまらなくなって、
もうそこから抜け出せなくなっている自分に気づくのだ。

そう。もうテニスなしでは生きていけなくなったかのようだ。


ボールを打った時の、心に気持ちよく響くあの打球音!

スイートスポットに綺麗にあたった時に、
手から伝わってくるあの気持ちよく抜けていくような爽快感!

ラリーが続けば続くほど、
相手と心が1つになっていくかのような一体感!


1日たった5分だけでも、こんな快感が味わえるのなら、
どんなに貧しいテニス環境でも、そんなことはどうでもいいのだ。

しかも、ボクたちが2年生になって、さらに3年生が引退すると、
今よりはもっとボールを打つことができるようになるし、
あの快感もたくさん味わうことができる。

それまでの辛抱だ。

テニス環境の劣悪さはどうにもならないけど、
少なくともボールを打つことができる時間は長くなる。


そして、2年生になった最初の日に、
ボクたちが全く予想もしていなかった大きな出来事が起こった。

その日を境にして、ボクたち弱小中学のテニス部は、
大きく変化していくことになるのだ。



                          (第8話につづく)

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さあ、果たして、ボクたちの身に一体何が起こったのか?


次回『トップ1%プレイヤーへの道』第8話は、
テニス弱小校が強くなるために最も必要なものとは?
の予定です。

請うご期待ください!


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それでは、今日第7話のワンポイント・フィロソフィです。

フィロソフィ(philosophy)とは哲学のことです。
哲学とは、自分自身の経験などから得られた基本的な考え、
のことをいいます。


『 学校の先生は部活動も指導すべき
   という考え方は
    そろそろ変えるべき時に来ている
 』



元からそのスポーツが大好きで、
生徒を指導するなんてこと以前に、
そもそも自分自身がそのスポーツを楽しみたい。

そして、
もっと上手くなりたい、もっと強くなりたい、もっと勝てるようになりたい、
という生徒がいたら、
何とかしてやりたいと思ってしまう。

自分が持っている知識や経験からのアドバイスで、
生徒が少しでも上手くなって強くなって勝てるようになったら、
生徒に感謝されるとかされないとかには関係なく、
まるでそれが自分のことであるかのように喜びを感じてしまう。


そんな人に、ボクは部活動の顧問になって欲しいと思う。

それが、学校の先生だろうと、専門のコーチだろうと、
それはどっちでもかまわない。

問題なのは、先生は部活動の指導をするべきだ、
と決めつける考え方だと思う。


基本的に、学校の先生というのは、
勉強を教える専門家であって、スポーツの専門家ではない。

体育の先生であっても、
そもそもボクは、スポーツは、いわゆる体育とは違うと思っているから、
基本的にはスポーツの専門家じゃないのだ。

先生は、勉強を教えるだけでも大変なんだから、
それに専念させてあげて欲しいと思う。


もちろん、先生自身がそのスポーツが好きで、
自分から率先して指導したいのなら、
それはそれで別に禁止する必要はないし、それは先生の自由だ。

でも、好きでもないし、指導したくもない先生に、
アメとムチを使って強要するなんて、先生がかわいそうだし、
部員の生徒にとってもいい迷惑にしかならない。


もう、学校としては、私立だけではなく公立でも、
テニス部の指導は、基本的には、
外部の専門家であるコーチにまかしてもいい
んじゃないだろうか。

ボクは、外部のコーチとして、
私立の女子高の体育の授業でテニスを教えたこともある。

それを公立の体育の授業でするのは難しいのかもしれないけど、
部活動だったら、外部の専門家を雇うことは無理じゃないと思う。

もちろん公立でも、すでにそうしている所もあるかもしれないけど、
それが特別なことではなくて、一般的なことになれば、
日本のスポーツ事情もより良い方向に進むと思う。


スポーツは、人類の叡智が生み出した高度で洗練された遊びだ。

学校の勉強のように教えるものでもないし、
体育の授業の延長でもないし、
学校の名誉や宣伝のために何が何でも勝たなくちゃならないものでもない。


そろそろ、スポーツを、
学校の呪縛から解き放って、原点に戻してあげる時が来ている

とボクは思う。



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