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女子なのにスーパーオールラウンダー!破壊的な技術と暴力的な戦術!/評論第8説

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ボクは、ある日、テレビであるテニスの試合を見ていて、
突然度肝を抜かれました。

ある女子の選手のテニスにかなりの衝撃を受けたのです。
こんなにビックリしたのは、エナン・アーデン以来。


それは、今年の2月のUAEでのドバイ・オープン。
ハードコート、女子シングルス、準決勝。

ご存知日本の杉山愛と対戦するその少女は、
まだ18歳で、ランキングは杉山より少し下。

でも、その少女は、この試合の前の試合、準々決勝で、
なんと、ビーナス・ウィリアムズを6ー2、6ー3で下しているんです。

まだこの時点では「へぇ〜、すごいじゃん。」程度のレベル。


ところが、試合が始まってすぐ、ボクは、仰天します。

「すごすぎる! 
 これじゃ、まるで、男子トッププロのテニスじゃないか!」



そう、最近の男子トッププロのテニスの特徴といえば、
いわゆる、ボクが呼ぶところの『スーパーオールラウンダー』。

ぶ厚い握りで、グリグリのトップスピン。

相手の球が浅いと見るや、
一撃必殺のウイナーで決めてしまう。

フォアハンドでもバックハンドでも。


なのに、薄い握りのシングルハンドで、
フォアでもバックでもスライスでつなぎきり、
時にはドロップショットで相手を凍らせます。

しかも、ネットプレーでも、反応が良くて、
安定している上に破壊的。

その上、フラットサーブでノータッチエースをとり、
スライスサーブやスピンサーブのサーブ&ボレーでも、
ゲームポイントをモノにしてしまう。


つまり、すべての技術が超一流。

選手によって、各技術のバランスは違うけれど、
それでも、それぞれの技術は一流の範囲を逸脱することはなく、
全体的にバランスがとれているといった感じ。


一昔前は、こんな感じではありませんでした。

ベースライナーは、ベースライナーらしく、
ネットプレイヤーはネットプレイヤーらしかった。

わかりやすいけど、でも、面白みに欠けることが多かった。
だから、逆に、最近のテニスは、ボクはとても好きです。


ジョン・マッケンローは、
「最近のプレイヤーは個性がない。」と批判していますが、
ボクが見たいのは選手の個性ではなく、
その試合の醍醐味です。

テニスの試合の本当の面白さです。
テニスという勝負事の神髄です。

そういう意味で、
最近のスーパーオールラウンダー同士の試合は、本当に面白いです。



そして、その少女は、女子としては珍しく、
なんと、技術的にも、戦術的にも、
スーパーオールラウンダーだったのです。

そして、秀逸なのは、その攻撃戦術。
まるで男子のような戦慄がはしるほどの相手の追い込み方。


有無を言わせず、ポイントを強奪し続けるプレースタイルで、
ファーストセットは、あっという間に6−0で奪取。

セカンドセットは、そこはさすがに簡単には勝たせない杉山愛。

相手の破壊的な技術にも、暴力的な戦術にも慣れてきた様子で、
持ち前の粘り強さとしぶとさを発揮して大接戦となりました。

でも、最後は押し切られるようにして、5ー7で終了。
杉山のストレート負けとなりました。


続く決勝戦では、
惜しくも女王エナン・アーデンにストレート負けしたため、
準優勝に終わりました。


ところが、次の3月のカタールでのドーハ・オープン。
同じく、ハードコート、女子シングルス、準決勝。

これも、ボクはテレビで見ました。

再び女王エナンと激突して、大接戦の末、
今度は、なんと、6−2、4−6、6−3で競り勝ち、
リベンジに成功してしまったのです。


そして、決勝戦の相手は、
同じく新進気鋭の、アナスタシア・ミスキナ。

これも大接戦でしたが、
6−4、4−6、4−6、で逆転負けし、
ミスキナの優勝。

またも準優勝に終わりました。


まだ、荒削りで、それほど安定しているわけじゃない。

でも、ひょっとしたら、
グランドスラムトーナメントで優勝するかもしれない!


ということで、ボクは彼女を大穴に指名し続けたのですが、
フレンチオープン、ウィンブルドンと、
それぞれ、ベスト16、1回戦負けとふるいませんでした。


でも、よく考えると、
ドバイもドーハもハードコートだったんですよね。

オールラウンダーということもあるし、
ハードコートが得意なはずです。

であれば、ハードコートのU.S.オープンは、
今まで以上に期待できるに違いない!

すると、なんと、彼女はU.S.オープンで優勝してしまったのです。
そう、その少女とは、ロシアのスベトラーナ・クズネツォワ!


アランチャ・サンチェスから、
ベースライナーとしての真髄を自ら直接教え受け、
マルチナ・ナブラチロワから、
ネットプレイヤーとしての極意を自ら直接譲り受けたとの噂。

世間では、強くて美しいマリア・シャラポアが一大人気で、
日本でもCM依頼が殺到しているらしい。

それに比べると、スベトラーナ・クズネツォワは、
同じロシアのテニス少女なのに、特に目立つ存在でもなく、
カリスマ性やスター性・アイドル性もほとんど感じさせないんだけど、
これからも目が離せない魅力的なトッププレイヤーの1人です。



 
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