テニスで勝つ方法!
強者の技術+戦術+戦略+精神+肉体
第16号
2004.04.30
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テニスボーイドットネット
TENNIS-BOY.NET
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「それから、アキラは試合中ブツブツ言ってたけど、
あれは何を喋ってたの?」
ずっと黙って聞いていただけのアキラが、
ユミに話しかけられてやっと口を開いた。
「あれはね、レイジが、
『戦術に集中して戦術をこなせ!』って言うから、
戦術を自分に言い聞かせてたんだ。」
「『強く打っちゃヤーよ!』ブツブツ・・・
『普通1番だろ!』ブツブツ・・・って?」
「あのねえ!
そうじゃなくて、
『まず最初のファーストは、入れるだけ入れるだけ!』とか、
『チャンスボールがくるまで、がまんがまん!』とか、
『ファーストはバックに入れろ!』とかだよ。」
「なるほど。それだけ?」
「それとか、
『短くなったらバックにアプローチ!』とか、
『自分が出来ることだけに集中しろ!』とか、
『ダブりそうだからとりあえずファースト入れるだけ!』とか。」
「そのブツブツのおかげで集中できたの?」
「うん、おかげで、勝ちビビリしなかった。
戦術をこなすことに集中するだけで、
勝ち負けはあまり意識しないで済んだからじゃないかな。」
「なるほどね。
それはそうと、この3つの戦術は、
シングルスの戦術だったけど、
ダブルスでも使える戦術なの?」
ユミはまたボクの方に聞いてきた。
ボクはもちろん丁寧に答える。
「もちろん使える。
まず1つ目の『普通1番だろ』戦術。
ダブルスでも同じように、
サービスゲームの最初のポイントは、
ただ入れるだけのセカンドサーブを、
ファーストサービスで打つ。」
「うん。
そして、プレッシャーのかかったポイントでも、
同じように、ただ入れるだけのセカンドサーブを打つのよね。」
「そう。
でもね、この戦術をコーチングするとね、
ボクの担当する上級クラスのたいていの生徒さんはこう言うんだ。
『ファースサービスで、
ただ入れるだけのセカンドサーブなんか打ったら、
ボコボコに打ち込まれてしまいますよ!』
ってね。」
「それで?」
「それで、ボクはいつもこう言うんだ。
・・・
(つづく)
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おはようございます! カムイ・レイジです。
ゴールデンウィークですね。
モナコのモンテカルロで地中海の風に吹かれながらテニス!
してみたいなあ・・・
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冒頭の連続ドラマ『たった30分の指導で3軍が1軍に勝利!?』は、
今回で既に16回目になりました。
これは、ボクが、3軍だったアキラに、
たった30分間指導しただけで、
1軍だったタクヤにシングルスで勝ってしまった、
という実話を基にしています。
なぜアキラは勝つことができたのか?
ボクはアキラに一体どういう指導をしたのか?
アキラに授けた3つの戦術とは?
試合後のファミレスで、
ボクがユミにその秘密を教えています。
もうすぐ最終回です。
第1回から読みたいという方は、
こちらのバックナンバーの一覧表からどうぞ。
→ http://tennis-boy.net/mailmaga/index.html
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次に予定している物語も、実話を基にした物語です。
高校から硬式テニスを始めたものの、
シングルスでは県大会にも行けず、
なんとダブルスにいたってはその前の大会にも行けず、
『勝てない!弱い!尊敬されない!モテない!』状態だったボク。
ところが、大学の体育会テニス部に入ってからは、
『勝てた!強くなった!尊敬された!モテた!』状態になった!
1年もたたずに元インターハイ選手を何人も撃破!し、
最終的にはインカレ(全日本学生選手権出場)選手に!、
そして、ジャパン(全日本選手権出場選手)にも勝てるようになった!
え? そんな物語、面白くもないだろうから読みたくない?
まあ、そう言わずに、読んでみてください。
テニスをもっと楽しみたい方なら、
初心者から超上級者まで、
誰にでもおすすめです。
なお、創刊準備号を読んでいない方は、
ぜひ予告編として読んでみてください!
創刊準備1号『勝ちたい!強くなりたい!尊敬されたい!モテたい!』
→ http://tennis-boy.net/mailmaga/full/p01.html
創刊準備2号『勝てない!弱い!尊敬されない!モテない!』
→ http://tennis-boy.net/mailmaga/full/p02.html
創刊準備3号『勝てた!強くなった!尊敬された!モテた!』
→ http://tennis-boy.net/mailmaga/full/p03.html
創刊準備4号『勝て!強くなれ!尊敬されろ!モテろ!』
→ http://tennis-boy.net/mailmaga/full/p04.html
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今回いただいたメールは、質問の部分だけ抜粋しました。ご了承ください。
<質問>
そこで質問です、よろしくお願いします。
ダブルスの試合で
アドコートのバックサイドのレシーブを
スライスでリターンすることが多いのですが
相手ペアの鋭い前衛の人ではほとんどポーチの餌食です。
私のスライス自体、そんなヤワなものでないと思うのですが。
最近、余裕があれば
スライスではなくフラット系のスピンでリターンしてます。
ただしミス多し。
ダブルスの試合はスライスはリスクが多いので
スピン主体で組み立てた方が良いのでしょうか。
現在はスライスでライジング、アングルのディンクショットで凌いでます。
スライスの方がミスなしでリターン出来てますので。
でも前衛にたたかれた時は悩みますけど。
駆け引きでしょうか。
以上です、アドバイス下さい。
<回答>
スライスのサービスリターンは、
確かにポーチの餌食になりやすいです。
なぜなら、まず、ボールのスピードが、
トップスピンやフラットに比べるとどうしても遅くなるので、
ポーチする側にとっては、ボールに追いつきやすい。
次に、ボールの軌道が、
トップスピンに比べると直線的なので、
ポーチする側にとっては、
動きながらのボレーの打点の位置を把握しやすい。
また、ボールが浮きやすいため、
ハイボレーで叩くことが多くなり、
ポーチする側にとっては、ノータッチエースをとりやすい。
さらに、ボールの回転が、アンダースピンだと、
ポーチする側にとっては、ボールが軽く感じられて、
力の無い人でも気軽にボレーしやすい。
そして、最後に、これがとどめですが、
スライスのサービスリターンは、トップスピンのそれに比べると、
テイクバックもフォロースルーも短めなので、
つまり、面を作るだけで返すことが多いため、
当然ながらスイングスピードも遅いことが多い。
ということは、
インパクト時のラケットフェースの向きが見えやすいので、
ボールのコースが読まれやすくなり、
ポーチする側にとっては、アンティシペーションしやすい。
アンティシペーションしやすいということは、
ポーチする側にとっては、一番大事なことです。
ポーチに出るタイミングと、
アンティシペーションが完璧ならば、
そりゃあもう心置きなく暴れられるわけですから。
あなたも言う通り、確かに、ダブルスの試合では、
このように、スライスのサービスリターンはリスクが多い。
かといって、スピン主体で組み立てるとしても、
フラット系のスピンでサービスリターンすると、
ミスが多い。
さて、それでは、どうしたらいいのでしょうか?
そうです。
あなたのおっしゃる通り、
駆け引きです。
相手ペアの鋭い前衛と、
リターナーであるあなたとの駆け引きが重要になってきます。
ダブルスでアドバンテージコートの右利きのバックハンドの、
サービスリターンの場合で考えましょう。
いかにポーチの餌食にならないように、
バックハンドでサービスリターンするか?
ボクはこの状況では、
『釘刺し』と呼んでいるサービスリターン戦略をよく使います。
『くぎさし』と読みます。
釘を刺すって、よく日常生活でもやりますよね。
あっ、本当に釘を刺しちゃうんじゃないですよ。
例えば、
『あなた!これ以上借金すると、破産しちゃうのよ!』とか、
『おまえ!それ以上飲んだら、アル中になっちゃうぞ!』とか・・・。
え? 例えがシリアス過ぎ?
すみません。
これじゃあ、ギャンブル好きの亭主と、
キッチンドリンカーの奥様の会話みたいになっちゃってますね。
あっと、ボクの日常生活ではありませんから、
誤解無きように・・・。
釘を刺すというのは、
『あとで逃げ口上を言えないように、あらかじめ念を押す。』
という意味です。
え〜? テニスのこの状況で、
釘を刺すって、どういうこと?
って今思ったかも、あなた。
どういうことかというと、具体的には、
最初のバックハンドのサービスリターンで、
ダウンザラインに、ストレートにスライスで打つのです。
相手がポーチに動いていれば、
ノータッチエースでポイントが取れるでしょう。
それのどこが釘刺しになるんだよ!って?
そうです。
このショットを打つことで、
『おい、おまえ!ポーチに出たら、
こんな風にリターンがノータッチエースになっちゃうんだぞ!』
と、釘を刺すことになるのです。
ノータッチエースも取れて、最高の釘刺しになりますが、
まあこの場合は、
釘を刺すというよりも、警告ですね。
『あんまり調子に乗ってポーチしまくってると、
こんな風に痛い目に遭うぞ!』
って感じでしょうか。
一方、相手の前衛がポーチに動かなければ、
相手の正面に打つことになります。
この場合、
相手にボレーを決められてしまうかもしれませんが、
それでも良しとします。
『おい、おまえ!ポーチに出ていたら、
今のリターンはノータッチエースになっちゃうところだったんだぞ!』
ということが言いたいわけです。
つまり、
『ポーチに出たら、抜かれちゃうよ』
という釘刺しな訳です。
こちらの方が本当の意味での釘刺しでしょう。
でも、ネットしたり、ベースアウトしたり、サイドアウトしたりだと、
釘刺しの効果が少なくなっちゃうので気をつけてください。
そんなんでは相手は、ラッキー!と思うだけかもしれないですからね。
あくまでも、ポーチに出ていたら、
ノータッチエースになるであろうコースに、
きちんと打たなくてはなりません。
スピードは無くてもいいです。
スピードで抜くわけではないのですから。
逆にスピードが無い方が、
相手のボレーに対処する時間を充分稼げますし。
それに、相手にぶつけるように打つのでもないですよ。
ぶつけて怖がらせるのが目的ではないのですから。
わざとストレートに打ち、
わざとボレーを打たせる。
そうすることで、相手の前衛に、
「ポーチに出ると、
ストレートに抜かれるかもしれない」
と気づかせるわけです。
そうすると、うまくいけば、相手は、
ポーチに出ることを躊躇したり、
ポーチに出る頻度を無意識の内に減らしたりする、
なんてこともあるわけです。
それこそがこちらの『釘刺し戦略』の狙いなのです。
ちなみに、この釘刺し戦術、
正確には、『牽制戦術』の1つです。
「けんせいせんじゅつ」と読みます。
牽制とは、
作戦上、自分の都合のよい所へ敵を引きとめたりして、
敵の動きを封じること、
をいいます。
野球では、牽制球と言って、
ランナーに盗塁させないように、
ピッチャーやキャッチャーが塁に投げるボールがあります。
テニスでも同じように、
前衛にポーチさせないように、
釘刺しショットを打つわけですね。
また、この釘刺しショットそのものの戦術は、
次からのリターンを有利にするための戦略の一部ですから、
いわばこの戦術は、『伏線張り戦術』とも言えるでしょう。
ちなみに、『伏線を張る』とは、
「のちの展開に必要な事柄をそれとなく呈示しておく」
という意味です。
つまり、この釘刺しショットは、
クロスへのリターンを簡単にポーチの餌食にされないように、
ストレートに抜くこともあり得るのだということを、
それとなく呈示しておく戦術です。
そして、相手があまりポーチに出られなくなる状態を作る、
という戦略の一部でもあるのです。
それによって、
あなたの、ヤワなものではない、
スライスでライジング・アングルのディンクショットを、
より活かすことができるというわけです。
ネットにいる前衛がポーチできなければ、
相手のサーバーにとってはアングルのディンクショットは、
厄介なものになるでしょうから。
そして、いくらこのポイントが、
伏線を張るためのものだといっても、
最初から『捨てポイント』だと決めつけるのではなく、
できれば、このポイントもモノにすることができれば、
もっと有利ですよね。
そのためには、
相手がフォアボレーをクロスに打つと見込んで、
相手が打つ前に先回りするとか、
自分のペアを最初から後ろに下げておくとか、
バックボレーをわざと打たせるようにして、
あまり角度をつけられないようにする、などがあります。
バックボレーで逆クロスにノータッチエースを取るのは、
ちょっと難しかったりするので、
打てない人も多いと思うんです。
それから、ここで大事なことは、
いきなり最初のリターンで先に仕掛けるということです。
こういった相手との駆け引きで、
自分の方が優位に立つために最も大事なことは、
主導権を握る、ということです。
こちらが先に仕掛けることで、
相手を後手後手に回らせることができます。
最後に、もう1つ。
同じバックハンドスライスの構えから、
ストレートロブも打つようにしましょう。
そうすれば、相手の前衛は、
クロスなのか?
ストレートなのか?
それともロブ?
って感じで悩むことになります。
悩めばポーチに出にくくなります。
論点はまだまだいっぱいあるんですけど、
今日はここまでです。
フラット系のスピンのリターンについても、
いろいろあるんですけど、
それはまた別の機会にお話しすることにしましょう。
さあ、あなたも、今日からどんどん釘を刺しましょう!
『あなた、今度浮気したら、離婚だからね!』
そうそう、慰謝料がっぽり・・・
・・・っておい!
それは、修羅場の家庭だろ!
ボクが言ってんのは、テニスの試合!
ということで、
オチがついたのか、ついてないのか、よくわかりませんが、
まあ、それはともかくとして、今日のまとめです。
『 ポーチの餌食にならないようにするには
ストレートに釘を刺しておこう 』
『 相手との駆け引きで有利さを得るには
先手先手で主導権を握るべし 』
『 サービスリターンのコースは最低3つ用意することで
相手にアンティシペーションされにくくしよう 』
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